2010/04/18

そろそろリバイバル時期じゃないか? 機動警察パトレイバー
























『機動警察パトレイバー』です。
上は最も初期のオリジナル・ビデオ・アニメのLDジャケットですね。(なつかしい…)



そして下は最も初期のOVA(旧OVAと呼ばれています)のオープニングです。
『未来派Lovers』 歌: 笠原弘子

※注)この素材はかなりどぎつくカラー調整がなされています。実際はもっと柔らかい色使いです。





次はTVアニメシリーズ化された時の最初のオープニング(TV版1〜34話で使用)です。
『そのままの君でいて』 歌: 仁藤優子
※いま話題の上海万博がパクった岡本真夜さんの同名楽曲とは違います。
 もっとも岡本さんの曲は1997年発表。パトレイバーTVシリーズは1989年ONAIRです。





次は2作目の劇場版で最も緊迫するシーン。





そして最後は上とおなじ劇場版2で語られるこの映画のというより、押井守監督がパトレイバーの初期OVAや末期の劇場版映画を用いて主張している主題『平和論』が警視庁特車二課:後藤喜一(CV大林隆介)と陸幕調査部別室:荒川茂樹(CV竹中直人)の間で交わされる平和についての問答という形で直接的に提示されます。




『機動警察パトレイバー』は最も好きなアニメのひとつです。
いちばんはじめのOVAシリーズの第1巻がレンタルビデオ店に並んだ時からの付き合いです。当時は今よりもっとビンボーだったのでほとんどレンタルで観ていましたが、後にはエンゲル係数を極限まで下げてOVAシリーズ・TVシリーズ・劇場版作品等、映像作品全てを正規に入手しているということをお伝えしておきます。

パトレイバーは“ゆうきまさみ”氏のコミック作品であると同時に“押井守”氏の映像作品でもあります。表現メディアの違いだけでなく込められた思想が異なります。TVシリーズや中期・後期のOVAでも何作か押井作品がありますが、特に初期OVA第5話・第6話の「二課のいちばん長い日(前・後編)」及び劇場版2ではその主題が明確です。

そこでは時間や空間的に離れた所にある戦争が今此処にある平和と対比して語られます。言い方を選ぶなら「平和論」がそこにあります。間違いやすいのですがそれはけっして「戦争論」ではありません。ラジカルな闘いを描くことにより「平和の意味」や「それを享受するための対価の必要性」を客観ではなく主観で捉えることを求めているのです。つまり平和は与えられるものではなく個々人が血や知によって得るものだと主張しているのです。

40年代までは望むと望まざるとに関わらず人々は闘いに関与せざるをえませんでした。そして50年代から70年代にかけては空間的に離れた場所で行われる闘いに間接的に関与していました。そして80年代以降はその空間的・時間的距離は大きく隔たりましたが間違いなく我々の平和は過去や現在の戦争の上に成り立っています。パトレイバーは闘いが遠くなってしまった80年代に登場したアニメです。

メメント・モリ(Memento mori)というラテン語の言葉があります。「死を想え」と訳されるようですが、その言葉の本意は生を想うことです。同様に、戦争や闘いに目を向けること、それを観ることは、戦争を知ることであり、それは平和を知ることです。平和の意味を肌感覚として感じることの必要な時期が来ているような気がします。


【お薦めの副読本】


3 件のコメント:

HUM さんのコメント...

たしかに!リバイバル時期だと思いますw
僕はゆうきまさみ先生の作品がスキで^^

究極超人あ~るのギャグなんて、読後数年
経過し写真部員となってから理解できたしw

じゃじゃ馬ぐるーみんあっぷのアニメ化も
いいな~なんて思います!

パトレイーバーは東映まんが祭以外で
初めて自分の意思で見に行ったアニメです!

en_toma さんのコメント...

懐かしいタイトルだね~^^
見てなかったけど人気があったのは知ってる
アニメは足を洗って走り回ってた時期だわw
※正統派なので要注意!ww

京極書店 さんのコメント...

死は生の対極としてではなく
その一部として存在する
というお話を以前dadaさんのブログで拝見しました。
パトレイバーはケーブルTVで一昨年に
視聴しました。
何度も放映される愛される作品には
“なにか”があるのでしょう。